2020/07/27 13:12

中国茶が日本茶の淹れ方と違う点で、洗茶(せんちゃ)というのがあります。


お茶を洗う、といった意味ですがこの目的は主に二つです。
①茶葉についた汚れを落とす
②茶葉を開きをよくさせて茶を出やすくする

この2点が挙げられます。

茶葉についた汚れ!ときくと驚く方もいらっしゃるかもしれませんが、中国茶は種類によって異なりますが製造工程が多く、機械作業の部分もあれば手作業の部分もあります。それらの途中で付着した埃のようなものを軽く落とすと思っていただければ良いかと思います。

2番目ですが、これは茶葉の形状に注目していただきたいのですが、たとえば高山茶や鉄観音のようなウーロン茶は茶葉が丸く丸められています。そのためにこれらのお茶は7煎8煎と煎を重ねることができます。逆に言うと1煎目2煎目はこれらの茶葉はまだ解けず丸まったままのことが多いです。それらを早く解かせておいしいお茶が茶葉から抽出されやすくなるようにお湯で開かせるのです。
丸い形状のウーロン茶の他にも固くかためられたお茶(黒茶の緊圧茶など)にも当てはまるとおもいます。

では、洗茶はどれくらいすればよいの?1回でよいの?

洗茶はは「軽く」で大丈夫です。
お湯も並々急須一杯入れる必要もありません。茶葉全体にお湯がかかったなと思われる量で、さっと流していただければよいです。長い時間洗茶をしてしまい、茶葉もおいしい成分も流れ出してしまったら大変です!

回数は基本的には1回です。人工的に発酵を促しているプアール茶熟茶についてはその行程の特殊性から2度洗茶をして汚れを落とすことが望ましいとも言われています。

また、オーガニック栽培の茶葉は綺麗だから洗茶はしなくてよい。緑茶はしなくてよい。などという考え方で実行されている方もいらっしゃいます。
昨年訪れた中国のお茶屋さんも洗茶はあまりしない主義でした。理由をきくと良い茶葉は1煎目から飲んでも大丈夫なのだ、ということでした。なるほどと思いました。品質の良いお茶の1煎目は捨てるにはもったいない。味も栄養素もたっぷりと出るのだからという考え方も理解できます。このあたりは目安として頭に入れる程度でご自分がしっくりするやり方で淹れていただければよいかと思います。自分が良い、おいしいと思えるお茶を淹れることが一番大切ですから。