2020/07/26 01:14

初めて中国茶芸に触れたのは、北京のレストランで、お茶淹れ専門の人が先の極端に長い急須を使って、遠くから私の蓋碗にお湯を継ぎ足してくれたときでした。
中国茶芸ってこんなにパフォーマンス的なのかと驚いたものでした。

その後、私は中国茶芸を学び始めるのですが、
中国茶芸の良いところはカジュアルで形にとらわれないところだと思いました。

道具の扱い方、お茶を淹れる順序、心をこめて丁寧に淹れるなどの基本は常に重要ですが、
それ以外では「必ずこうしなければならない」という決まった形は少ないように思います。
教えてくださる先生によってもそれぞれのやり方があり同じではありません。
このことは、自分らしくどんな形で行ってもよいのだという安心感にもつながると思いました。

またお茶席では自由にお話をすることができます。
お茶を淹れる亭主もお客様と一緒に会話をします。
おいしいお茶をいただきながら会話を楽しめるのも醍醐味です。

また、茶器や道具も最上のものを用意することが必ずしも一番良いことではありません。
お茶を飲む人にとってお茶とは生活の一部分です。
茶器がなければ家庭にあるもので代用すればよいのです。
あくまでも「生活の中にあるお茶」の観点を忘れません。
肩肘張らずに自分ができるやり方で、自分らしく楽しめる中国茶芸。
だからこそ永く続けていけるものなのだと思いました。

最初は先生からやり方を習いますが、茶芸は「習う」ことではなくて「実践」することになるのだと思います。
心をこめてお茶を淹れる、それを日々機会があるたびに実践していきたいと思います。